夕日が大きく見えた日

土方歳三の植えた矢竹

今日は辛いので文体を変える.

お前は友人のフォールコーズのマンションで目覚める.時間は8時ぐらいであっただろう.友人はH社の研究所勤めなので出社が遅れても構わないのだが,ちょっと遅すぎたのであろう.送ってくれた駅は一番近い駅であった.お前は甘えすぎで済まないと思う.
お前は日野市の土方歳三資料館に向かう.司馬遼太郎の「燃えよ剣」の愛読者であるお前は土方歳三の愛刀である「和泉守兼定」が一目見たかったのだ.立川でお前は立川のファーストフード店でブランチをとる.外食の不安もあったが平気で平らげた.お前はもう大丈夫だと思う.お前は下調べを怠っていたので降りる駅はモノレールの駅のポスターで知る.お前は最寄り駅から歩き,外見は一般住宅と同じ資料館に着く.お前は見学料500円は高いと思う.資料館といっても普通の家の一室である.しかし,土方歳三の兄の子孫にあたる人がほとんどボランティアでやっていることを知り,お前は見学料500円は高くないと感じる.お前は古文書の方は読めないので,名刀「和泉守兼定」,鉢金,鎖帷子,石田散薬の箱などに土方歳三への想いを馳せる.
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お前は次に秋葉原へ向かう.百里基地航空祭にへ行く時にアクロバット隊員にサインをもらう時にその機体をモデルにした紙飛行機にサインを貰うためだ.お前は模型屋をすぐに見つけて購入する.お前はiMacG5見たさにマッキントッシュの店に行くが新製品であるために展示はなかったので少し落胆する.お前は小腹が減っていたので喫茶店でケーキとコーヒーを注文し,食べる.

お前は夕食までに帰らねばならなかったので帰途につく.お前はその特急の車内できた時に読みかけになっていた村山由佳の「BAD KIDS」を読む.途中でお前は普通ではない感覚を覚え気分が悪くなる.お前は少し吐き気を覚える.お前はストーリー中の登場人物とは全く違う境遇でありながらなぜかシンパシーを感じ,登場人物がどうしようもない状況に陥ったところで吐き気を覚えたのだ.お前はその気分の悪さにあらがうこともせず,車窓から夕日を眺める.その夕日はとても大きく感じられた.

BAD KIDS バッド キッズ (集英社文庫)

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お前は駅に着くと待っていた父親の車に乗る.そこで祖母の病状が悪化したことを知らされる.行く前は脳梗塞言語障害があったにせよ,こちらの問いかけには片言ながら返事をしていてくれた.しかし,脳梗塞が再発したらしく,お前がお土産に持参した舟和のあんこ玉を祖母は食べたが,「おいしい?」と訊いても返事がない.今までであったら返事が片言ながら返ってきていたのに.右の口唇にあんこ玉の残りが付いていた.お前は東京に出かける前に体調が悪くて行けなかったことを後悔する.まだまだ祖母とは話したかったのに.しかし,お前が希望を捨てたら終わりだ.祖母は脳梗塞の病状が一段落してから脳梗塞の薬は飲んでいなかった.たぶん,また血栓を溶かす薬を出されるだろう.お前はそれに期待するしかない.

祖母の夕食につきあっていた叔母さんが家に来た.今まで祖母は食事は一応普通に食べられていたのだが,口唇の右側から口に入れた物がこぼれてしまうという.お前はあんこ玉のことを思い出す.右手がマヒして固くなっていたのだが,握ると少し握り替えしてくれていた.しかし,今日は手が簡単に開き,握ってといっても力が入らないという.医者はちょっと様子を見るという.お前はなるべく早く対策をとって欲しいと感じる.

お前は祖母のことをあまりに考えすぎると自分の方が先におかしくなりそうなので,「BAD KIDS」の続きを読む.読み終えたがやはりなぜか登場人物にシンパシーを感じてしまい,いたたまれなくなる.お前は酒が飲みたくなり,タバコ吸いながら酒を飲む.そして安定剤を飲み,強引に眠りにつく.